Archive for the '新規開業医の悲しい物語' Category

2月 6th 2007
座右の銘は「人任せにしない」(第1話)

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現在、開業3期目の大川先生(仮名)、専門は「内科・消化器」。
 今でこそ、地域になくてはならないクリニックとして、忙しい毎日を過ごされていますが、開業当時は訳も分らず、外野の声を聞き過ぎて“大失敗”を繰り返したそうです。
 

当時の失敗を教訓とし、座右の銘として…
 何をするにしても、最終決定は自分自身で行う!決して“人任せ”にしない!
 

という事を心がけているそうです。
  一体、何があったというのでしょうか…?
 先日、久しぶりに一緒に食事をした時に、“遠い目”をして当時の様子を語ってくれました。

明日に続く・・・

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2月 7th 2007
開業の不純な決意(第2話)

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今から4年前の平成15年頃、自分の同期生が、1人、また1人と開業していくのを横目に、
 「将来のことを考えると、自分もそろそろかなあ…。」
 

と漠然と考え始めたそうです。
 しかし、当然、【 漠然と 】なので、自分が一体何をしたいのか、どういう場所でするのか、そもそも、いつを開業日にするのか等、全く白紙の状態で、ただ単に、
 

「今の給与は年間1,500万前後だが、開業すれば2,000万円は固いと聞く。子どもの学費等を考えると、手取りは多いに越したことはない。かつ、当直がある訳でもなく自由だ!」


 
ぐらいの認識しかなかったものの


 「多分、開業すればいい生活が出来るだろう。何となく毎日が忙しいから先送りにしていたが、よく考えれば、悪い話ではないよな…。」
 休憩室でコーヒーを飲み干し、紙コップをグシャっと握って、決意したそうです。


 
「よし!開業しよう!!」
 ここから、大川先生の苦労話(自業自得と言えばそれまでですが)が始まりました。

明日に続く・・・
 

 

 

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2月 8th 2007
誰に相談するか(第3話)

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「開業しよう」と、決めたものの、まず誰に相談するか、皆目検討がつかない。


 
とりあえず、同じ大学の吉田先輩(仮名)に話を聞きに行く。当時、開業2年目で、毎日患者が溢れ返るほどの盛況ぶりだった。


 「そうやなあ…、俺が開業する時は、医局に来てた薬屋に相談したかな。そこで、よく分らないが、“医療コンサルタント”という人を薬屋が連れて来て、あとは言いなりという感じかなあ。自分ではほとんど何もしなかったなあ。その代わり高くついたけどな。」

大川先生は内心安堵した。


 そうか、そのコンサルタントか何か分らないが、そういう開業を一手に引き受けてくれる人がいるのか。生来、自分の興味がある分野以外は、何もしない性質だからちょうどいい。それでは、早速その人を紹介してもらおう。

大川先生は、早速、吉田先輩に、その“コンサルタント”を紹介してもらうようお願いした。


 
「これで、もう安心だ。後は任せるだけだ。」
 帰りの車の中で、「いよいよ俺も成功者の仲間入りか~。」
 

と訳の分らない充実感に浸っていた。頭の中から


 「高くついた」
 

という、先輩の言葉はきれいに抜け落ちていた。


 

 明日に続く・・・    

  

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2月 9th 2007
初めまして (第4話)

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吉田先輩に会ってから3日後、紹介された“医療コンサルタント”と面会した。

当然、病院の中で「開業の話」など出来ないから、勤務が終わった後、近くの喫茶店での面会となった。

「はじめまして。私、クリニック開業コンサルタントの佐川と申します。この度は“おめでとうございます!”」

いきなり、「おめでとうございます!」と言われ少しビックリしたが、悪い気はしない。そうか、クリニック開業とは「めでたい」ことなのか。

すっかり最初から、その佐川氏のペースで話は始まった。

 

明日に続く・・・

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2月 13th 2007
何も決まってないんですね…、分りました。任せて下さい!(第5話)

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「先生、ご開業はいつ頃の予定ですか?」

早速、佐川氏の質問が始まった。

当然と言えば当然の質問。開業する時期が分らなければ、スケジュールの立てようがない。さらに質問は続く。

「場所はどのような場所をお考えですか?都心部ですか?郊外ですか?ビル診療ですか?自宅兼診療所ですか?」
「自己資金は幾らの予定ですか?」
「院内にされますか、院外にされますか?」
「HPは作りますか?」

何のことかよく分らないが、少なくとも、イザ開業するためには色々考えないといけないという事は分った。

しかし…、佐川氏からすると当然の事を聞いているのであろうが、「先生!先生!」と立て続けに言われると、半ば自分が責められているように思えて、とりあえず、その場から離れたくなった。

ここで、将来からの“ものぐさ性質”が頭をもたげた。

「すいません…。お恥ずかしい話ですが、何も決めてないんです。全てお任せしますので、お願いしていいですか?」

後から思えば、これが一番よくなかった。このいい加減さが後々の苦労を倍増させる事になる。

「何も決まってないんですね?そうですか…分りました。任せて下さい!ちなみに、お手伝いさせて頂く料金なのですが、吉田先生のご紹介なので、本来であれば300万円のところ200万円で結構です。」

正直、200万円という金額が高いか安いか分らない。自分では200万円もの大金を右から左に移す生活はしたことがなかったので、高いと思う。
しかし、全く何もしなくても良いという「煩わしさからの開放」と、あと、吉田先輩が言ってた「高くつく」という言葉を思い出し、

「と、言うことは、先輩は300万円支払っている訳か。自分の方が安くついた!これはありがたい。」

妙に自己弁護的な発想をしてしまった。何よりも、この佐川氏の言うことを聞かなければ、開業出来ないかも知れないという不安も大きかった。また、「200万でよい」という言葉の使い方も上手い。いかにも、ディスカウントを強調した言い回しだが、それにすっかりはまってしまった。

どんな、ディスカッションでもそうだが、準備不足のまま臨むと、精神的に相手有利になりがちだが、今日の場合は、「ノーガード」で打たれ放題といったところか。

精神的に不利な状況と、妙な自己納得で200万の出費が決まった瞬間だった。

 

明日へ続く・・・

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