Posted under 新規開業医の悲しい物語
大川先生は、一通り話終えると一気にグラスを空け、お代わりを注文されました。
「すまんね、私ばかり話して…」
「いえ、それより、その後どうなったんですか?」
「ははは、幸いみんな近所のスタッフだったから、全員に電話をしてひたすら謝って来てもらったんだけどね。」
「そうだったんですか~、どうなることかと思いましたよ。しかし…、ご苦労されたんですね。ですが先生、そんな開業状態から、よくぞ今の隆盛を築かれましたね。どう考えても、当時の状態から、今の状態へワープされたようなイメージですよ!」
「ははは、隆盛なんてとんでもない!ひたすら、自分の信じた道を1歩1歩進んでいるだけで、何も特別なことはしてないよ。しかし、初年度は大変だったなあ…。初日から毎日が修羅場だったよ。」
「先生、特別なことはされていないと仰いますが、他の医院に比べて明らかに患者も多いですし、スタッフも優秀と思います。開業されてから、今までに一体何があったのですか?地道に真面目にやっているだけで、ここまでにはならないと思います。」
「う~ん、色々あったなあ…、ただ、ひとつ言える事は、心の底からこの医院と心中する覚悟を決め、心の底から自分と接する人々、患者さんも従業員も幸せになって欲しいと思い出した頃から変わり始めたのは事実かな…、キーポイントは…、おっと、もうこんな時間か。明日も診察だから失礼するよ。今日は初心に戻る事が出来て楽しかったよ!」
と、言い残して、先生はタクシーに乗り込みました。
「“勝ち組”に見える大川先生でも苦労したんだなあ…。しかし、どうやって…?気持ちの変化だけで全て上手くいくものなのか?また、開業後の成功話を聞かなければ…!」
そう、心に決めて、その日を楽しみにしながら店を後にしました。
