4月
16th 2007
開業手続 :後編(第44話)

Posted under 新規開業医の悲しい物語

吉村氏に連れられて、クリニック開業の申請へ初めて「保健所」に行った。

何課だったか忘れたが、その窓口の前に立った。そこでは、何名かが仕事をしていたが、こちらには目もくれない。

そして、吉村氏が小声で、

「あの…、すみません…。」
「あの…、すみません…。」

と2回ほど呟いた後に、一番手前の席で仕事をしていた人が、仕方なしに立ち上がり、

「はい、何ですか?」とぶっきらぼうに応えた。

何ですかとは、何ですか?こちらは、用事があって来てるのだ!

そちらも色々な書類受付をするところなら、“何か提出しに来た”という察しぐらいつくだろう。
あえて、見て見ぬ振りをしているように見えてしまう。

また、電話も鳴りっ放しで誰も取ろうとしない。10回ほどコールされた後に、書き物をしていた中年男性職員が仕方なく受話器を取っていた…。

私は、今まで、電話をかけて相手が出ない時は「不在」だからとばかり思っていた。

日本全国の保健所すべてがこのような対応ではないと思うが…。

「あの…、クリニックの新規開業の書類を持って…」

「そうですか、こちらにどうぞ!」

吉村氏の話を遮って、“面倒だから早くしてくれる?”とでも言わんばかりの対応だ。

「すみません、これがクリニックの新規開業の書類です…」

“すみません…”って、何故謝るんだ?口癖なのか?まったく…!

と、何気に書類を見ると…、え?全ての書類に私の印鑑が押してある…。

窓口でこんな事を聞く訳にもいかないので、書類が受理され保健所を出た時に吉村氏に聞いた。

「私のハンコが何故押してあるのですか?」

「はぁ…、実印ではないものですから…。大体、私どもで押して出してますが…?」

いや、実印とかそんな問題ではなく、勝手に書類にハンコを押しているというのはどういうことだという話なんだが、彼は、意外なことを聞かれたような表情だ。いちいち口を挟む私が非常識なのか?もう、よく分からない…。

保健所を出た足で、社会保険事務局に赴く。ここに到っては、カウンターすらなかったし、入口で手の空いてそうな人に声をかけてようやく作業台のような机に通されたが…。

これでは、不審者が来ても分からないだろうし、また、色々な医院の色々な申請書類があちこちに置いてある。というか、むしろ散乱していると言った方がいいだろう。個人情報保護も何もあったものじゃない!いいのか?これは…。

役所って…、こんなものなのか?自分の管轄が、たまたま“いい加減”なだけで、他所はこんなことはないと思いたい。

 

明日へ続く・・・

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