4月
12th 2007
クリニックスタッフ採用の極意?(第42話)

Posted under 新規開業医の悲しい物語

「さて、田辺さんはここまでどれぐらいで来れましたか?」

早速、佐川氏が口火を切る。

「はい、20分ぐらいです」

よく見たら、履歴書にちゃんと書いてある。

「何故、このクリニックを志望されたのですか?」
クリニックでの勤務経験はありますか?」
「お子さんは何人ですか?」

矢継ぎ早に質問をするのはいいが、どれも履歴書に書いてあるだろう?

何故、書いていることをわざわざ聞くのか、さっぱり分からない。

今日の面接が終わってから佐川氏に聞いてみたら、何と…、

先生、それは“あえて”聞いてるんです。最近は、履歴書に嘘を書いてくる人もいますのでねえ…。やはり、時々、履歴書と違うことをうっかり答える人もいますよ。特に、履歴書を完璧に埋めるタイプに多いですね。」

要は、採用されたいがために、本当は遠くに住んでいるのに“近い”と言ったり、子供がいるのに“いない”と言ったり…。本当に、そんな人が存在するのか?

クリニックを開業していらい、何回か面接をしたが、そんな人は見たことがない。また、そんな嘘は採用したらすぐにバレるだろう?

田辺さんも最後の方は怒り気味に帰っていったではないか…。少なくとも、そんなことをしそうな人には見えなかったし、むしろ、誠実、真剣に面接に臨んでくれた彼女に対し、不誠実に応えただけの気がして心が痛い…。

確かに、嘘をつかれる可能性が無い訳ではない。しかし、そこは“人を見る目”ではないのか?

「先生、ハッキリ言いまして、従業員の代わりなど幾らでもいますし、どうせパートなんか1年~2年しか続かないんですから、使いやすい人を雇っておけばいいんですよ!あと、従業員はしょせん“他人”なんですから、疑ってかかってちょうどいいぐらいなんです。これさえ頭に入れておけば、まあ、人で失敗する事はありませんわ。何せ、最初にガツンと言っておけば、あとは大人しいもんです。」

これを佐川氏は「極意」と言って憚らない…。

この疑い深さ、親父に近いものがあるなあ…。

「採用は“お見合い”と同じ!互いに理解し合って、一緒にゴールを目指しましょう!」

などというのは寝言なのか?

つまり、生き方そのものを変えなければいけないのか?

これについては非常に悩んだ…。

しかし、最初っから、このような接し方で従業員が気持ちよく働いてくれるはずがなく、多少のリスクがあっても自分の信念に従って、「心の採用、心の経営」をするべきなんだ!と開眼したのは最近のことだ。

 

明日へ続く・・・

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