Posted under 新規開業医の悲しい物語
面談から数日後、佐川氏から連絡があった。
「先生、開業までのスケジュールが組み上がりましたので、一度見て頂きたいのですが…」
ほう、もう出来たのか。やはりコンサルタントというだけある。
早速、前の喫茶店で面談し、そのスケジュール表に目を通した。
開業日:平成16年9月
場 所:○○駅前医療ビル
資 金:約5,000万 …。
今が1月なので、約9ヶ月後か…。
家内と色々話し合ったり、病院に意思を伝えて引継ぎしたり、色々ありそうだが、そんな期間で開業出来るものか?
少し性急のような気がするが…。○○駅は確かに家の近所ではあるが、車で20分というところか。自分の医院に通勤をする訳か。5,000万円って一体何のお金?高くない?相場ってこんなものなのか…?
平静を装いつつもパニックになる。
その表情を見越したかのように、佐川氏が言葉を続ける。
「先生、少しペースは早いかも知れませんが、これで大丈夫です!また、先生は非常にラッキーです。この○○医療ビルは、立地もそうですが、マンションもどんどん建って人口が増加する場所ですので、早い者勝ちだったんですよ。とりあえず仮に押さえておきました!もし、先生が宜しければ正式な契約に入ります!」
図面を広げて説明を続けるが、見てもいない物件の図面を見たところで、何のイメージも湧かない。普段目にしないものだから、「線がたくさん引かれている大きな紙」にしか見えない。
しかし、患者さんが間違いなく大勢押しかけるという佐川氏の言葉に、「まあ、コンサルタントが言うのだから間違いないか。」と、またまた、妙に他人の言うことを信じるという行為を自己弁護し【 承認 】してしまった。
「先生、いかがです?」
いや、いかがです?とニコニコして言われても…。こっちは“任せる”と言ってしまっているので、答えは1つ。
「それで進めて下さい。」
どうせお願いするんだし、自分が下手に考えたところで素人なんだから、これでいいだろう。
診察の腕には自信がある。しかし、この手の話になると、「自分は素人」と決め付けてしまい、「自分で考える」という事を全くしなくなっていた。
明日に続く・・・